2018.10.09
【土地を探している方必見!】家を建てられる・建てられない土地って?
家づくりを考え始めると、これまで全くなじみのなかった言葉にたくさん出合いますよね。
今回は土地に関する言葉と法律を、分かりやすい言葉で紹介していきます。
「市街化区域」と「市街化調整区域」、「建ぺい率」と「容積率」、「用途地域」、あなたはどこまで知っていますか?
■家を建てられる・建てられない土地って?
土地はまず、大きく「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられます。
基本的には、家を建てることができるのは市街化区域。一般的に市街化調整区域には、家は建てられません。
これは、「都市計画法」という法律で、日本の土地が、市街化を進めるべき地域と、市街化を抑制すべき地域に分かれているからです。ですので、土地を購入するときは、「市街化区域」を買えば大丈夫です。
しかし、気を付けたいポイントがあります。
「市街化区域」と表示されている土地の中でも、「生産緑地」となっているものは定められた一定期間、農地として使い続ける必要があります。
一方、「市街化調整区域」の中でも、不動産業界で「既存宅地」と呼ばれていた土地があります。「既存宅地」は、市街化調整区域ながら、宅地として家を建てることができるのです。
※現在、「既存宅地の確認制度」が廃止されていますが、各自治体で独自の基準を設けているところが増えてきていますので、自治体で確認いただくと良いでしょう。
また、農家の場合は、「分家申請」というものをすれば、市街化調整区域でも家を建てることができます。
このように、土地にはかなり細かな決まりがたくさんあるので、大枠だけ知っておき、あとは不動産屋や工務店など詳しい人に相談するのが妥当です。
■建ぺい率と容積率とは?
家づくりのために土地を探し始めると、すぐにチラシなどで「建ぺい率」「容積率」という言葉が目に付くのではないでしょうか。この2語をおさえておくことは大切です。市街化区域の土地を買ったからといって、その土地の隅から隅まで使って家を建てることができるようには、なっていないことが分かります。
建ぺい率は、土地全体のうち何%までしか、家を建ててはいけませんよという数字です。
例えば、40坪の土地を買って、建ぺい率が50%だったとすると、20坪分しか家を建てられません。残りの20坪は、駐車場や庭や家の周りの空きスペースになります。
次に、容積率です。
こちらは、延べ床面積を土地全体の何%までにおさえなさいというものです。
例えば40坪の土地を買って、1階と2階の床面積が全く同じ家を建てるとします。容積率が100%の場合、1階も2階も20坪ずつの家なら、建てることができます。この時、建ぺい率が50%以上であることも、併せてチェックしないといけません。
こうして考えていくと、土地情報の中の小さな数字ですが、建ぺい率と容積率を見れば、その土地にどのくらいの家が建てられるか、だいたいイメージができますよね。
こうした建ぺい率や容積率は、火事が起こった時の延焼などを考えて定められているのですが、意外なところで、都市計画にも左右されているのを知っていましたか?
緑化を目指す都市などでは、土地の何%以上に緑を植えなさい、と決まっていることもあります。
自分の土地なのに、まちが目指す方向性に合わせないといけないのは、ちょっと切ないような気もします。しかし長い目で見て、ずっと住んでいきたくなるまちになるのであれば、それも良いことなのかもしれませんね。
■将来のことも考えて「用途地域」のチェックを
最後に、「用途地域」という言葉をおさえておきましょう。
これはひと言でいえば「どういう目的で存在する地域か」というものです。先に紹介した「市街化区域」は、都市計画法にもとづき全部で12の用途地域に分かれています。
一般市民が住居として良好な環境で暮らしていくことを目的とした住居系、商売が行われる前提の商業系、工業の利便推進を図る工業系の3つがあり、それぞれにまた細かく分かれています。
どの用途地域の土地かによって、先ほどお話した建ぺい率や容積率も変わってきます。商業地域は建ぺい率や容積率が高い傾向にあります。住居系は、他の住居の環境を悪化させないように、家の高さが低く制限されていることもあります。
ひとつ気を付けておきたいのは、目の前の土地や建物は、年月とともに変わっていくということです。
例えば、用途地域が工業系の土地は、安めのところが多いので、手を伸ばしたくなります。だだっ広い空き地が広がっているけど、工場は無いから大丈夫、と買ってしまうと、後でそこに工場ができることも。騒音や臭いが気になっても、工場は法律にのっとった場所に建てられたわけで、文句は言えません。
また、高さ制限があまり厳しくない場所に家を建てたら、向かいの土地にマンションが建って日当たりが悪くなったりすることもあります。商業地域はわりと建ぺい率や容積率が大きいので、隣ギリギリに大きい建物が建って日当たりが……というケースが見られます。
将来、どう転ぶかは分からないですが、少なくとも「用途地域」の種別はヒントになります。買いたい土地が見つかったら、用途地域が何かをチェックする癖をつけると良いかもしれませんね。
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