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2019.03.14

家づくりのお役立ちコラム

家づくりに相見積もり、本当に役に立つの?


 

■「最低3社から見積もりを取りましょう」ではなく…

「……するときは、最低3社から相見積もりを取るのが重要です。その中に〇〇も加えてください」。というコマーシャル、見かけたことはありませんか?私はあれを見るたびに、こう言いたくなります。
 
「見積もりは、信頼できる一社にお願いしましょう!」って。特に家を建てる時は!
 
コマーシャルの企業がどうというわけではありません。私たちのように注文住宅を手がける工務店でも、お客様が「相見積もりをとっている」とおっしゃることはあります。ただ、「注文住宅に相見積もりをとって、いったい何が分かるのだろう」というのが本音です。
 
注文住宅がどういうものなのか、考えてみてください。
目の前のボールペン1本買うのとは違うんです。
商品として完成しているボールペンは、A店でもB店でも同じものが買えます。A店が定価でB店が2割引きをしていたら、それはB店で買えば良いことです。
 
でも、注文住宅は、A工務店に依頼した場合とB工務店に依頼した場合、まったく同じものが出来上がるとは考えにくいですよね。職人の腕前や、工法、使う材料、間取りや工期など、それぞれ違うからです。
 
それぞれの工務店が違う前提条件で考えて出した見積もりを見て、読み取れるものは何があるでしょうか…。
例えば、見積書に「内壁  珪藻土使用」と書かれていたとします。しかし、珪藻土の含有率が多いものも少ないものも、コストは違うのに上のような同じ書き方ができてしまうんです。これは、法律で記載方法についての規制がないからなんです。このように作られた見積書から正しく読み取ることはできないと、理解いただけたのではないでしょうか?
 

■理想の家づくりのためにするべきことは、相見積もりより〇〇です!

 

 
そのため私は、注文住宅の家を建てたいと思っている方が相見積もりを取るのは、本当は意味がないんじゃないかなと思っています。
理想とする家づくりをできるだけ確実に、安くしたいと考えているなら、自分たちが作りたいような家の施工事例がたくさんある工務店に依頼することです!
 
たいていの工務店は、お客様の希望に合わせていろんな家をつくることができますが、それでも工務店ごとに思いや特長があるはずです。
 
しらかばハウジングでいうならば、つくる家が「健康住宅」であることを大切にしています。すると必然的に、壁を塗るための漆喰床の塗料である柿渋、しらかばハウジングの象徴である、床材となるしらかばなどは、仕入れ量が増えますし、日々研究や学びを続けています。そのため、健康住宅のための素材は、より良いものを他より安く仕入れることができますし、その分野の知識も多いので提案の幅も広がるのです。
 
健康を考えた住まいづくりをしたいというお客様には、しらかばハウジングをお勧めします♪
このように、自分の作りたい家の一番の特徴が何か考えて、そこを得意とする工務店に見積もりを依頼するのが、賢いやり方ではないかなと思います。
 

■職人のモチベーションが上がるのはどちらか

 

 
そして最後は、どんな商売だって、結局人と人だよ、というところに行きつきます。
人間、信頼してくれた人のためには頑張りたいものです。
 
相見積もりの良くないところとして「他社を意識して見積もりを出すために、ギリギリの額で出しがちになる」ということがあります。すると、これで依頼されることになったとしても、落とせるだけ落とした金額で受注しているため、何かにつけて現場は余裕が無くなります。
 
そうなると、一般的に
「本当はこの材料を使ってあげたいところだけど、この金額ではこれしかない」
「本当はもうちょっと丁寧にやってあげたいけど、この金額ではそこまで時間が取れない」
こんなフラストレーションを抱きながら、現場は進んでいきます。
皆、職人なので、「いい仕事をして、お客さんの喜ぶ顔が見たい」という思いをもっています。相見積もりを勝ち抜くために出したギリギリの見積額が、その思いを踏みつぶしていくのです。
 
逆に、しっかりと何度も打合せを重ね、お互いの想いを共有し、納得できる見積もりを出してからの仕事だったらどうでしょうか。
現場で「ここはやっぱりこうしてほしい」と言われた時、前向きな気持ちで一緒に考えられます。
お客様が何を大切にしたいかが分かっているので、「サービスでつけよう」なんて気持ちにもなります。
家づくりが少しずつ進んでいくのを一緒に楽しみ、嬉しく思いながらできる仕事は、私たちも幸せです。
 
相見積もりをした場合と、信頼できる工務店1社にすべてゆだねた場合、どちらがモチベーションを上げていい仕事をしてくれるのかは、もうお分かりですね。
お客様と工務店、お金を払う側といただく側、とはいっても、最後は人と人。
私たちも、そこを分かち合えるお客様のために、誠心誠意取り組んでいきたいと思っています。