2020.07.23
家づくりのお役立ちコラム
〜家と私の物語〜 かつての家の面影がつなぐ、家族の思い出♪
いつも笑顔だった人の顔には、笑い皺が刻まれていくように、年齢を重ねていくにつれて、顔や手に刻まれていくシワは、その人の人生を写す鏡のようなもの。
もちろん、家も同じです。床や柱についたキズも、何年も経った後に見てみると、当時の暮らしを懐かしく思い起こす、そんな味わいに変わっていくから不思議です。
暮らしと思い出が環(めぐ)る家づくりを続けているしらかばハウジングと一緒に、今日は、家族の思い出を繋いでくれた住まいの物語をお届けします。
*登場する人物・舞台は架空のものです。
■思い出と一緒に記憶に刻まれていた縁側の風景
小さい頃に遊びに行った祖父母の家。
古くて暗い場所の多い家は、子ども心に「なんだか怖い場所」と感じていた。
そんな中で、唯一好きだったのが、祖父がよく腰掛けていた縁側だった。
縁側にゴロンと寝転びながら、なんとなく、宿題をしたり、祖母が切ってくれた果物を頬張ったりした縁側での時間は、私の子ども時代の大切な時間のひとつになっている。
冬は、寒い祖父母の家では、縁側と和室の間のガラス戸を閉めてストーブをつけていた。ガラス戸が温度差で曇ったところに、いろいろな絵を描いていたのもいい思い出だ。
■祖父母の家をリフォームすることになって
祖父母が大好きだった私は、大人になってもなぜか古いものに心が惹かれるようになった。結婚して、家を建てようと思ったときも、ピカピカの新築の家よりは、古民家を再生できたらいいな、なんて、漠然と思っていた。
そんな折、祖父が亡くなり、祖母は両親の家で暮らすことになった。
今まで祖父母が暮らしていた家をどうしよう、という話になり、思わず「リフォームして住みたい」と言っている自分がいた。
「あんな古い家」と家族は大反対したが、唯一妻だけが「面白そうだね」と賛成してくれた。
できるだけ柱や梁は残しつつ、大好きだった日当たりの良い縁側は、リビングとつなげて広々とした空間になった。
■思い出がそこかしこに息づく家に
生まれ変わった家を見て、祖母は「全然違う家みたいになったわね」と驚いていた。
けれど、リビングの一角に置いたタンスや衝立を見て、「あら、これは!」と祖母は目を細めた。
祖母が嫁入りに持たされた桐ダンスは、両親の家には入りきらず、捨てられる寸前だった。それを譲り受け、我が家のリビングの収納に…というように、古い家で使われていたものたちを、できるだけ再利用してもらったのだ。
リフォーム、というよりも大掛かりなリノベーション・改修ともいえる工事になってしまったが、私たち夫婦は大満足している。
なぜなら、この家で、私たちの生まれるずっと前から家族を見守ってきてくれた”モノ”たちが家族を見守ってくれているからだ。
祖父を亡くし、暮らしがすっかり変わってしまい落ち込んでいた祖母も、我が家に遊びに来るたびに、たくさん思い出話をしてくれるようになり、笑顔が増えたように思う。
子どもたちも、そんな祖母から聞いた昔話を、大人になって少しでも覚えてくれていたら良いな、そんな風に思っている。
しらかばハウジングでは、家族の物語が環る(めぐる) “住み継ぐ家”の新築・リフォームを応援しています。
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