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2019.02.28

池田直樹

刈谷で住宅の新築、増改築、リフォームに携わるワケ

私たちの暮らしている刈谷およびその周辺の安城、高浜、岡崎などの街は川の下流に位置しています。近年では鉄砲水で川が氾濫して下流の集落が浸水するというような自然災害が発生することがしばしば起こるようになりました。災害を少しでも防ぐことができたなら安心な暮らしへの一助となることでしょう。

鉄砲水が起こる原因のひとつに川の上流である山の機能が崩壊していることがあげられます。本来、山が整備されていれば大雨が降っても山自身がある程度雨を保有して下流に流れる水を制御してくれるはずです。

建築から考える日本の山の歴史は、神社仏閣の建設と多くの関わりがあります。昔は京都、奈良を中心に太く丈夫な柱や梁を備えた大きな神社仏閣が造られました。京都、奈良の山、そしてその周辺の山へと木を求めて伐採が進み、そして木が燃料に使われ出し、山が禿山へと変わっていきました。

その後、禿山への危機を感じ日本は植林活動に力を入れ、世界でも有数の人工林保有国になりました。

しかし、燃料も木材から化石燃料に変化し、高度経済成長時にはプレハブ住宅が増えてきたこともあり、木材利用が減少し林業が衰退しました。それにより間引き作業や枝打ち作業などが疎かになり、日当たりが悪くなることにより草木が育たなくなって土地が痩せてしまい、山自身が雨水などを保有することができなくなり鉄砲水となり災害につながっているのではと考えられます。

このような災害を少しでも防ぐために、地元の山の木を利用することで山の整備の一助になれるように、下流である刈谷の地で木材を利用した新築、増改築、リフォームに携わり、後世に少しでも良い環境を残すのが私たちの使命のように思っています。