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2019.11.19

想い・こだわり

「向こう三軒両隣」な家づくり、街づくりのこと


 
先日、しらかばハウジング社長である池田の夢として「まちづくりにつながる、家づくりがしたい」というお話をこの場を借りてさせていただきました。今日は、どうして池田が「家づくりだけでなくまちづくりも視野に入れた仕事がしたい」と思ったのか、その背景について少しだけお話ししてみようと思います。

>>blog「家が交流を促すような…そんな仕事を夢見ています

 

個ではなく、全体を見ることが大切だから

「家づくりだけでなく街づくりも」と考えるようになったのは、私、池田が今の仕事を始める前の経験が大きいかもしれません。
 
私はこの仕事を始める前、道路交通情報VICSに関わる仕事をしていたことがありました。今では当たり前に使われるようになっているVICSは、FM多重放送やビーコンなどの技術を使ってカーナビにリアルタイムの渋滞や交通規制情報などを伝えるシステムです。
 
別々な情報伝達手段を活用して、道路交通情報VICSに使うための取り組みは“自分さえ良ければ”ではなく、よりよい世界を目指す姿勢を私に教えてくれました。
 
家づくりも同じこと。自分の家さえ良ければいい、ではなく、地域やまち全体がよくなるように、という視点を1人1人が持てば、より良い暮らしが叶うもの。
「全体を見る(=街づくりも見据えて考える)」ことは、暮らしやすい環境を作る上でやはり大切だと思うのです。
 

どんな街がいいのか?


 
リアルなコミュニケーションがどんどん希薄になっていくように感じられるこの時代。ではいったいどんな街が暮らしやすい街と言えるのでしょうか。皆さんはどう考えますか?
 
私が考える一つの答えは、【向こう三軒両隣】が息づいている街、コミュニケーションが生まれる街です。
 

 
そんな街を作るために、キーワードとしてあげられるのが「共存ゾーン」。
 
例えば家と家の間の境目は、塀などできっちりと分けられているのが当たり前、というこの時代。お隣さんと、ご近所さんと一緒に使う「共存ゾーン」を敢えて作ることで、街のことを他人事ではなく“自分事”として考えられるようになります。
共存ゾーンの良さはそれだけではありません。緑を植えて、秋には紅葉を、春には木々が芽吹く姿を、そして初夏には新緑を…というように、住む人たちが緑のある空間を楽しみ、季節の移り変わりを楽しむことができれば、暮らしも豊かに、そして彩りある日々になるのではないでしょうか。
 
かつての日本では「向こう三軒両隣」という言葉が使われ、自分の家の向かい側3軒と、左右2軒(両隣)が日常親しく交流する人、と考えられていました。
家族だけでなく、ご近所さんがお互い支え合って暮らしていく。街にはそんな懐の深さがあるのです。
 

交流のある街は、震災時には助け合うことができる


 
熊本のある分譲地でのお話しは、地域で支え合うことの大切さを物語る一つの実例かもしれません。
分譲地内に暮らす子どもがテレビのカラオケ番組に出場することになり、近所の人に「テレビで歌うよ」と話したら、近所の人たちがBBQをしながら、地域を挙げてその子を応援。「なぜ、ご近所同士で集まって応援するの?」とテレビの人が尋ねると、こんな答えがかえってきました。
 
熊本地震のときに、地域で助け合うことの大切さを知った。だから、普段から近所に暮らすもの同士、積極的に交流しておこうと思った」
 
これぞ【向こう三軒両隣】の、ひとつの価値を伝えるエピソードではないでしょうか。
 
家を作る仕事をする私たち。見据える先は、家そのものだけでなく、街全体。そう考えると、なんだか夢がますます広がります。しらかばハウジングの夢は、まだまだ果てしないのです。